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相続の「現場」から聞こえてくる声を集めてみました (その1)
相続に関する相談や業務に取り組んでいると、 実際の現場では様々な場面があります。
現場から聞こえてくる声としては、
「お父さんの意思を尊重して、遺産分割をしよう」
「私はお父さんが遺した遺言書の内容に納得できない!」
「私は生前にお母さんから〇〇をあげると言われていた!」
「私は両親と一緒に同居し、一生懸命に介護をしてきた!」 など、
代表的なのは「相続人」間におけるやりとりです。
私が特に印象に残っているのは、
遺産分割について、相続人間で真剣に協議をしている場面です。
遺産分割がスムーズに進む家庭もありますが、
なかには争いに発展してしまう家庭もあります。
上記のような相続人間でのやりとりは、傍から見ると、
もしかしたら喧嘩をしているように映るかもしれません。
遺産分割協議がスムーズに進まない場合、当事者だけでそのまま協議が続けると、
やがて修復が難しい親族間での争いに発展する恐れがあります。
しかし、第三者が間に入り同じ協議のテーブルについていることによって、
当事者同士が本音で意見をぶつけあい、納得のいく話し合いをすることができます。
私がお手伝いしたご家庭の相続においては、 相続人や親族が相続を機に不仲になってほしくない、
円満に相続を済ませてほしいと考えていますので、 状況や関係性は慎重に見極めますが、
本音で意見をぶつけあう機会をあえて設けることもあります。
私という第三者がいることで、感情が高ぶるなかでも、
どこかで冷静さを保った状態で 本音をぶつけることができますので、
言い争いに近い雰囲気に一旦その場がなってしまうこともありますが、
相続人間で、あとで「しこり」が残ることはほとんどありません。
相続人の方は、皆それぞれ思っていることや考えていることがあると思います。
もしかすると、考えすぎて、独りよがりになることもあるかもしれません。
しかし、円満相続を実現するためには、少なくとも意見や考え方をぶつけ、
真剣に話し合いをすることが必要になります。
当事者だけで冷静に話し合いができれば良いのですが、それが難しい場合には、
中立な立場の者がテーブルに同席して、熱く、時に、冷静になって、
真剣に協議ができると、自然と円満相続につながっていくと思います。
(執筆者:代表取締役 島根 猛)